新たな「大都市制度」の創設や「地方分権改革」の推進に取り組んでいます

意見表明・活動報告

「子ども・子育て新システム」における「幼保一体給付(仮称)」の円滑な実施に向けた制度検討に対する要請

 子ども・子育て新システム(以下「新システム」という。)については、子どもを大切にする社会、出産・子育て・就労の希望がかなう社会、仕事と家庭の両立支援で充実した生活ができる社会、新しい雇用の創出と女性の就業促進で活力ある社会の実現を目指して、平成23年に法案を提出し、25年度の施行を目指すと公表されたところである。
  新システムの検討において、現在、所管等が分かれている事業を包括的、一元的な制度に再構築し、実施主体を市町村としていることは、保育や子育て支援施策の総合的な展開に役立つものであると考える。
  一方、現段階では具体的内容が示されておらず、「国・都道府県・市町村の役割と責務」や「財源と費用負担」を含め、その制度設計については様々な課題があると認識している。
  特に、新システムの中で創設される「幼保一体給付(仮称)」については、未就学期の保育と教育の枠組みを大きく変えるものであり、利用者、事業者、地方自治体に大きな影響を及ぼすと想定される。
  分けても、「幼保一体給付(仮称)」は両立支援給付とし、その財源は国、地方、事業主と個人で負担することとされているものの、給付規模がこれまでの指定都市の公費助成規模から大きく増大することが見込まれる中で、地方の具体的な負担については明らかになっていない。
  さらに、待機児童の多い指定都市においては、これまでも保育資源の量的確保だけでなく、質的向上にも大きな努力を払ってきたところであるが、今後、「幼保一体給付(仮称)」に伴う良質なサービスの提供を担保できる仕組みづくりが必要になると想定される。
  「幼保一体給付(仮称)」の導入にあたっては、実施主体である市町村の中でも最大の実施主体となる指定都市において制度の円滑で確実な移行が、成否の鍵となると考える。
  ついては、指定都市市長会として、国において議論されている新システムにかかる「幼保一体給付(仮称)」の制度設計にあたり、国に対し次のような視点を盛り込んだ内容とするよう要請する。

全体について

1 新システム検討の中で「幼保一体給付(仮称)」の制度設計・実施準備にあたっては、事前に迅速かつ詳細な情報提供を行ったうえで、十分地方の意見を聴取し反映させ、実行可能なものとなるようにするとともに、一方的に地方に事務や負担を課さないようにすること。

財源について

2 給付費については、保育所に加え幼稚園及び一部認可外保育施設も対象となることから、公立幼稚園、公立保育所等の既に一般財源化されている経費についても子ども・子育て勘定に組み入れること。仮に負担割合が現在と同様であっても地方の負担は増大することが想定されるので、適切かつ必要十分な財源を確保すること。併せて、準備経費、事務的経費の財源も確保し、給付費とともに地方へ負担を転嫁しないこと。

指定都市の権限及び業務について

3 私立幼稚園の認可指導権限や運営費等の補助など道府県の所管となっているものについて、指定都市の権限とし、財源も移譲すること。さらにサービス事業者の指定についても指定都市の権限とし、地方の裁量が十分に発揮できる仕組みとすること。

4 市町村における各種業務は、膨大になることが想定されることからできるだけ事務負担の軽減を図るようにすること。

給付設計について

5 給付設計にあたっては、利用者、事業者、地方自治体が、円滑に移行できるよう、十分かつ適切な準備期間を確保すること。特に、「幼稚園」及び「指定都市をはじめ基礎自治体が独自に取り組んできた保育・教育施策」を給付制度に移行できる仕組みとすること。

6 利用者負担は、利用時間等に応じた負担を原則としつつ、低所得世帯等の利用に配慮した方式とすること。

7 客観的な指定基準などにより未就学期の保育と教育の質が確保され、社会的養護が必要な被虐待児や障害児などの保育が適切に実施される給付内容とするとともに、職員などの知識や経験が蓄積していくことができる仕組みとすること。

平成23年1月25日
指定都市市長会

このページのトップへ戻る