第1回 指定都市安全・安心まちづくりプロジェクト会議 議事要旨

1.日時
    平成17年12月15日(木)午後2時〜5時
   
2.場所
    指定都市市長会事務局 会議室(市政会館6階)
   
3.出席者
    白崎勇紀(横浜市)、吉田将行(札幌市)、鈴木裕一(仙台市)、大石寿生(さいたま市)、岸本直人(千葉市)、井出長生(川崎市)、渡辺敏一(静岡市)、石井泉(名古屋市)、中井浩之(京都市)、喜田雅弘(大阪市)、高橋利昌(神戸市)、道下政幸(広島市)、白濱晴夫(北九州市)、三上明(福岡市)
浜崎真人、谷口正和、馬渕幸男、田中正美(指定都市市長会事務局)
   
4.議事要旨
(1)事務局長あいさつ
   
(2)プロジェクト発足に至るまでの経過報告
  ○指定都市市長会(事務局)の組織・仕事などの簡単な紹介
  ○企画部門の重点課題を決定した経緯と考え方の説明
   
(3)メンバー自己紹介
   
(4)座長市の選出(横浜市)
   
(5)指定都市安全・安心まちづくりプロジェクトの運営について
   プロジェクトの役割や目的については、事務局案にある「安全・安心まちづくりのあり方の検討」から「安全・安心まちづくりの進め方の検討」に修正することとされた。
また、会議の進行における採決の是非が質されたが、プロジェクトとしての考え方をまとめる場面においては、採決が必要なことも考えられることが確認された。
   
(6)課題検討の進め方について及び重点課題について
   政策については、各市の実情を反映させたものでなければならないことを踏まえれば、指定都市で共同実施する政策は考えにくいが、安全安心に関する知見の共有を図ることはプロジェクトとしての最低限の役割であり、これにとどまることなく、さらに踏み込んだ議論によって何か生み出すことが必要であるとされた。
 さらに、警察制度についてはあまり大きく構えずに進めたほうがよいとの意見が出されたが、この問題についての検討は、駐車違反取締り業務を民間委託したことも一つのきっかけになっており、特に、警察制度については指定都市にとって望ましい警察制度や組織のあり方を検討するよう強い要望が出ていることが紹介された。
     
(7)各市から「安全・安心まちづくり」についての考え方や状況の報告
   

(札幌市)
 すすきの条例を平成17年12月1日から施行した。これまで繁華街対策として駐輪問題やポイ捨て問題に対処してきたが、今回の条例はすすきのに特化して、三つの迷惑行為の禁止を定めた。一つ目のカラス族対策については東京都の迷惑防止条例を手本にしているが、スナックや居酒屋への勧誘も禁止した点でさらに厳しい内容になっている。二つ目は客の勧誘について不特定多数の人に対して行なうだけでも検挙できる点で厳しい内容になっている。三つ目は看板、ポスターについての規制で、ピンクビラだけでなく看板、ポスター、移動車両についても規制した点で特色を持っている。また、罰則規定も非常に厳しい内容にした。
 昨日(12月14日)までに検挙者が10名出ている状況である。
 条例施行後わずか2週間で街から迷惑行為が激減し、様相が一変した。
 以上の取締りの活動のほかに、まちづくりの観点から協議会を設立することにしている。

(仙台市)
 防犯関係として昨年から4つの事業を行なっている。
 まず、安全安心まちづくり補助金としてボランティア団体の防犯活動に上限20万円で補助金を出している。また、防犯マップの作成として夏休みに先生と児童、PTAなどが地域を歩いて探し出した危険箇所を地図にして地域に配布している。さらに防犯講座を開催し、簡単な護身術や消費者対策の講座などを開いている。あとは、歩くボランティア活動として、日常の散歩などの際には防犯意識をもっていただくという取り組みで、現在700名余りの方々に登録していただいている。また、登録者には防犯グッズを提供している。
 また、安全安心条例を制定予定である。当初は理念的な条例を作り、細かいことは計画を策定する中で盛り込んでいくこととしていたが、7月に市長が代わり選挙公約で日本一の安全安心条例を作りたいと言っているが、どのような条例にするかについて悩んでいるところである。特に市長から「割れ窓理論」を十分に参考とするよう指示されており、まずはポイ捨てなどのマナー違反について対策していくことが必要と考えている。
 繁華街対策では、仙台に国分町という繁華街があるが、客引き問題などにより安心して楽しめないため、市長自ら歌舞伎町ルネッサンスの例を見習って取り組みを進めたいと語っている。先月は、仙台市の関係部局と県警との第1回の情報交換会を催したところである。

(さいたま市)
 安全安心まちづくりは自然災害から治安問題まで幅広い分野にまたがっているので、一所管部局では対応に限界があり、組織横断的な取組みが必要である。
 本市でも、市民の暮らしを脅かす問題に対処するため、部局を横断する安心安全ネットワーク作りを行うことが必要と考えている。安全を脅かす問題を可能な限り予防し、問題が発生した場合には被害を最小限に止めるための「地域安心安全ネット」の構築をめざし危機管理監の新設と安心安全担当の設置を行った。
 地域安心安全ネットは4つのネットを構築するものである。一つは、庁内の枠組みを越えて連携して取り組む組織のネットの構築。二つ目は、安心安全に関する施策を総点検し、総合的な施策メニューを構築する施策のネットの構築。三つ目として、安心安全に関する情報を庁内はもとより市民や地域団体が入手できる情報提供手段や情報連絡体制を整備する情報のネットの構築。四つ目が、市民や地域団体の取り組みを支援・強化・拡大する地域活動ネットの構築である。

(千葉市)
 安全安心まちづくりでは、防災関係とか高齢者が安心して街を歩ける歩道の段差解消のようにかなり幅広く取り組んでいる。防犯対策事業では、防犯パトロール隊の支援事業としてタスキや腕章の配布を行っている。昨年は190団体を支援したが、今年はすでに300団体以上を支援している。また、市民の防犯啓発事業ということで、パンフレットを38万部発行し、全世帯に配布した。また、防犯街灯の補助事業として、町内自治会が設置する防犯街灯の電気料や設置費に対する補助を行っている。11月からは青色回転灯を公用車に設置しパトロールすることを試験的に行っている。

(川崎市)
 本年4月1日に「犯罪のない安全安心な神奈川をつくる条例」が県で施行されているので、市として新たに条例を作るのではなく、県条例の趣旨を活かしていく取り組みを行っている。
 主な取り組みとして、今年の10月に川崎市安全安心まちづくり推進協議会を設立し、市民や警察と市が連携して取り組むことにしている。また、区においても、区の安全安心まちづくり推進協議会を7区中すでに5区で設立し(残る2区も来年度中に立ち上げる予定)区の地域特性に応じた取り組みを行っている。特に高津区は平成15年には協議会を立ち上げ、すでに50団体以上が登録し3,000人くらいの参加者がいる。また、パトロールを実施したことによって街頭犯罪の数も減少している。
 教育委員会と郵便局、警察、消防署が連携して、郵便車両1,100台による防犯防火パトロールを12月9日から行っている。また12月12日から、市の公用車1,026台にステッカーを貼ってマニュアルに基づいたパトロールを行っている。

(横浜市)
 横浜市も県条例があるので条例の制定は必要なく、より実戦的・具体的な活動を支援するプランとして「横浜安全安心プラン」を作った。基本は、自分たちのまちは自分たちで守るという地域防犯の観点からの取り組みをめざしている。市民意識調査では防犯への不安感が1位を占めているのを受け、昨年12月に横浜市防犯力強化宣言を市長が行っているので、それに沿ってプランを策定した。
 市としては、活動支援を軸に地域防犯に取り組んでいくこととしている。また、各区では警備会社に委託して、地域の危険箇所にガードマンを派遣して市民と一緒にパトロールし、ノウハウを得れば順次自立していくことを考えている。しかし、繁華街では市民だけでは対応が難しいのでその対応は課題であると認識している。また、地域の防犯拠点の整備についても支援を行うこととしている。
 自主防犯活動の実態を把握するのは難しいが、自治会が2,300あるうちで6割近くが防犯活動を行っている。

(静岡市)
 市の面積が大きく、山間部から都市部、農村部、港湾部などと地域特性に大きなバラつきがある。その実情に即した対応をするために、各区に1人ずつ担当を配置し、区役所と警察(4月から管轄区を区役所に合わせる)、地域の共同体制で取り組みを行うこととしている。
 現在、条例の制定に取り掛かっている。また、防犯カメラと個人情報の保護に配慮した要綱を1月から施行する予定である。
 また、最近の児童を狙った凶悪犯罪については、本市でも10月28日に児童37人を巻き込む交通事故があったさなかに、一連の犯罪が続出したわけであるが、問題を検討する中で、この所管は教育委員会であるということになっている。しかし、生活安全課でも、各地域の安全会の会長に対して、下校時間帯における警戒活動の強化についてお願いしたところである。

(名古屋市)
 安心・安全で快適なまちづくり名古屋条例を作るにあたり、2年前、市民アンケートを実施し、その際には小学校261校を訪問し、地域で困っていることを聴き取り調査した。また、条例が案の段階では、16区で懇談会を開催し、市民との議論を深めた。
 また、路上禁煙地区を4地区定めているが、違反者には過料を課す方向で検討し、来年の2月議会に出すつもりである。
 防犯の取り組みは、各市が実施しているようなことを概ね本市でも行っている。特に各小学校区には50万円の補助金を交付し、使途を制限せずに自由に使っていただくようにしている。

(京都市)
 2点の取り組みについて報告する。
1点目は、地域安心安全ネットワーク形成事業である。市民と区役所、消防署、警察署、学校等が連携して防犯、子どもの安全、防災、地域福祉など幅広い分野において地域の安全確保に取り組もうとするものである。昨年度から実施し、地域課題を抽出するためのワークショップの開催やあいさつ運動、こども110番、安全マップの作成などを地域の特性に応じて行っている。この取り組みはパートナーシップの構築のもとで地域コミュニティを向上させるものであり、今年度は市内25学区で展開しており、今後は全227学区に広げていくつもりである。補助金は初年度の取組みに対しては10万、2年目、3年目の取り組みには5万ずつ支給している。(1学区当たり3年間20万円)
 2点目は、警察の取組であるが、繁華街(祇園、木屋町)対策として、10月7日から祇園・木屋町特別警察隊120名体制で治安対策を図っている。警ら活動、違法駐車対策、風俗営業取締り、暴走族対策等を行っている。実施後2ヶ月が経つが一定の効果を得ている。また、風俗営業については条例を強化して対応していくこととしている。

(大阪市)
 大阪市でも犯罪が社会不安の極めて強い要因になっている。安全安心条例の理念を踏襲して平成14年12月に基本計画を策定。市の役割は、犯罪防止の啓発活動として安心まちづくり推進月間の制定、安心まちづくりの自主製作ビデオの貸し出しなどを行っている。また、市民活動の支援として、市民活動がなかなか活発にならない要因として、マンション住人(ニューファミリー)と地域の融合が上手くいかないなど、ネットワークが作りにくい実情を踏まえ、各区から15名ずつ代表者を選び、約700名の推進委員で防犯活動を活性化するように図っている。また、既存の活動団体として60団体が存在するので、補助金などの支援をしていくつもりである。
 自治体が防犯施策を行うということにコンセンサスを得にくい状況にあるが、最近の子どもを狙った犯罪が急増するなかで、300近い学校の通学路に子ども110番の家を登録していただいている。
 まちづくりのハード整備では、街灯を明るくするなどの施策に取り組んでいる。
 学校園の安全対策では、公用車3,000台を利用して安心パトロールを実施し、特に通学路は重点的に警戒している。

(神戸市)
 阪神淡路大震災の教訓から、地域のつながりの重要性を認識した。平成10年に施行した市民の安全の推進に関する条例の根本姿勢は、自分たちのことは自分たちでやろう、行政はそれを支援するというものである。
 支援の仕方は、本庁が頑張るのではなく、市民生活に密着した区が頑張るスタイルである。9区には区の安全会議を設置することを条例で定めている。そこには、行政、警察、消防、地域団体が参加し、50〜90人規模の組織となっており、区の課題を議論している。また地域提案型助成として概ね20万程度を補助している。区の分掌事務に防犯の項目が明確になっていなかったのでこれを明確にする。
 また、子ども110番の店や家、公用車や企業の車に啓発ステッカーを貼ること、消防車両では活動を終えて帰るときにも赤色回転灯をつけて走行することなども行っている。
 ソフト対策では、地域のコミュニティ形成のため、スマイルハートあいさつ運動を行っている。
 ハード対策では、門灯をつける協定や街灯助成を行っている。

(広島市)
 11月22日、安芸区の児童殺害事件を受けて、12月7日広島市子どもの安全対策推進本部を設置し、登下校部会、通学路の整備部会、公園遊び場の部会の3つのワーキンググループをつくり、総合的に取り組むことにした。
 防犯対策とまちづくりの具体的な施策の実行にあたっては、市民、警察、行政の三者が協働・連携して取り組むことが基本スタンスである。平成16年から2年間で市と県が共同で、防犯対策とまちづくりを進めている。
 歓楽街対策については、国のモデル調査に選定してもらっているので、市民、警察、行政の三者で二つの社会実験を行うことになっている。一つは、駐輪場を作った歩車道分離、二つは、主として深夜の飲食者を対象にJRの駅まで送る深夜バスの運行を実施する。
 また、市内70ある公民館とその管轄の交番の連携を深めて情報提供をする取り組みを今年の8月からはじめている。

(北九州市)
 本市は、民事暴力相談センターと安全安心課がある。本市の特徴は、暴力追放事業として市の窓口を設けていることである。ここでは、啓発活動と相談活動、排除活動を中心に施策を展開している。
 繁華街対策は、県条例を来年後半の施行を目途に検討している。モラル条例については、今検討委員会を立ち上げて議論しているところである。

(福岡市)
 昨年9月に、庁内に地域対策会議を設置し、その中で市の防犯指針を12月20日に決定することになっている。これ受けて来年2月を目途に、防犯関係の推進本部を設立する。
 本市は、平成15年頃から防犯関係に取り組んでおり、市民に防犯を考えてもらうため、防犯ディグ(図上訓練)を行っている。そこでは、安全マップの作成や防犯の実演講習を行っており、市民から好評を得ている。市民活動も盛んで、校区は140あるがそれを上回る数の団体が活動している。今年度から団体立ち上げ支援として物資を支給している。また、公用車の一部は、白黒に塗り青色回転灯をつけてパトロールしている。

     
(8)その他
     組織的で凶悪な犯罪が多発しているのは大都市の特徴であり、これをなくすために行政でできないことは何か、その対策のために制度をどう変えるか、警察や行政の組織のあり方などについて、検討し、関係機関へ要望していく活動をこのプロジェクトに期待したいとの意見が出された。市長会議や助役・副市長会議で同様の意見も出たので、この件については、前向きに検討していくこととされた。
     
(9)事務局プレゼンテーション「日本の治安問題」
   
(了)