第4回 指定都市安全・安心まちづくりワーキング会議 議事要旨

1.日時
  平成19年10月25日(木) 午後2時〜4時
   
2.場所
  指定都市市長会事務局 会議室(市政会館6階)
   


3.出席者
  吉富 浩政(座長:横浜市)、淺野達也(札幌市)、岸野稔(さいたま市)、岸本直人(千葉市)、村田俊一(川崎市)、福原弘幸(静岡市)、本多素(浜松市)、藤井良和(名古屋市)、山田真(京都市)、奥野吉俊(大阪市)、安福真敏(堺市)、稲葉英二(神戸市)、木下秀雄(北九州市)、福井邦治(福岡市)
谷口正和、南條正樹(指定都市市長会事務局)
樋村恭一、土居洋平(地域交流センター)
   
4.議事要旨
     今回の会議では、検討が必要とされる「繁華街・歓楽街の再生」について、骨子案を文章化した報告書素案に基づき、意見交換を行うとともに、11月6日開催予定の副市長会議に本プロジェクトが報告する内容について検討を行った。
     
(1) 調査検討報告書 素案(第W章)について
   繁華街・歓楽街における安全・安心の確保では、違法行為と迷惑行為を分類整理したうえで、その抑止が重要であること、使用するデータは、特定の市に偏ったものでなく、全体の傾向を示すものをできる限り使用することを確認した。
 また、不良来日外国人や無店舗型風俗店などこれまでの繁華街・歓楽街における課題とは異なる課題に言及したうえで、「繁華街・歓楽街の再生」の項で、地域の特性・問題や対策など具体例をイメージした表現で報告書素案を修正し、各市へ意見照会することを確認した。

     
  ○各市の主な意見
   【はじめに】
(京都市)
 繁華街・歓楽街の規制を強化することで、無店舗型の風俗が増加したり、周辺に犯罪が移転するなどの懸念がある。このことについて、報告書でも触れたほうが良いのではないか。

(札幌市)
 「はじめに」の構成が、検挙と活性化が柱になっているように読み取れる。検挙は、最終手段であって、市行政にとって重要なのは、抑止だと思う。繁華街・歓楽街においても、同じスタートラインで商売ができるよう、違法行為・迷惑行為を抑止するという点を追加した方が良いのではないか。

(北九州市)
 確かに抑止は重要である。取締りのみでは、違法店が移動するだけで、どこかで営業をしてしまう懸念がある。ビルオーナー等を巻き込んで、違法店を入居させない方法もある。

【繁華街・歓楽街の特性と問題】
(川崎市)
 違法行為と迷惑行為の分類整理を明確にしてはどうか。はみ出し看板は道路交通法に違反するため違法行為になるが、客待ちタクシーは、場合によっては違法とは言い切れないこともある。市行政が最も困るのは、違法ではないグレーゾーン、迷惑行為である。
迷惑行為は、条例の制定や、法律改正の要望等で対応しているが、その点に触れたほうが良いのではないか。

(福岡市)
 違法行為か迷惑行為かは、(取締りをするうえで、)重要なポイントである。違法行為は法律をもとに検挙できるが、迷惑行為には、条例等で対応しなければ規制が難しい。その点は、しっかりと書いたほうが良い。
 また、繁華街・歓楽街の特性として、居住者が少ないことも考えられる。このような地域において関係者による連携した取組みを進める場合、事業者はもちろん、その地域で働く従業員も巻き込む必要がある。市行政は、事業者・従業員に当事者意識を持つよう働きかけることが必要ではないか。

(大阪市)
 景観の悪化も繁華街の問題とされているが、落書きの問題も追加して欲しい。落書きは、放置すれば犯罪の温床になる可能性もある。割れ窓理論の話もあるので、この点は触れたほうが良いのではないか。

(神戸市)
 報告書素案に記載されている犯罪件数は、本当に繁華街・歓楽街で際立って多いといえるのだろうか。神戸市三宮地区の場合、それほど多いという印象はないのだが。

(大阪市)
 繁華街・歓楽街の犯罪件数については、特に、統計も取っていないので、それ以外の地域と比べて、多いのかどうかはわからないが、かつては、はみ出し看板が多く、問題になっていた。また、落書きは他の地域と比べ多く、現在でも問題になっている。放置自転車についても特に問題となっているが、この地区だけでなく、市内全域での課題でもある。

(静岡市)
 繁華街・歓楽街での暴力団事務所の数や犯罪発生件数は、調べてみないとわからない。ただ、風俗店の勧誘行為等の迷惑行為は増えているという指摘を受けている。迷惑行為は警察で取締りが難しく、条例制定等が必要と考えている。

(浜松市)
 ここに挙げられている中では、5番目のタクシーの問題は、飲み屋の増加とともに苦情がある。迷惑行為に対する取締りが課題と考えている。

 【繁華街・歓楽街の特性・問題に応じた対策の実施】
(札幌市)
防犯カメラの問題は、プライバシーや設置主体、運用費の問題など、様々な問題がある。報告書の中では、要綱と運用の取り決めに絞って書かれているが、行政が防犯カメラを設置するということに対しては、議会や市民からの反対もあるかと思う。

(さいたま市)
 行政が設置する場合、予算をどうするか、誰がモニタリングをするのか、コストをどのように考えるかなど課題が多い。当市の場合は、商店会が主体で設置し、市が費用を一部助成している。設置は住民が基本と考えている。

(神戸市)
 消防と警察が連携した取り締まりというのは、実際にはあるのだろうか。情報交換については、既に取組みがはじまっているが、連携して一斉取締りというのは、あまり聞かないが。

(北九州市)
 北九州市では、繁華街の取締りの強化を目的に、警察・入国管理局・消防などの市の関係部所が連携して立入り検査を実施している。単独では難しい所も協同して行うことにより成果も上がっている。
 このように、警察、市、関係機関等を協議会に入れることで、そうした話も進みやすくなる。

【繁華街・歓楽街の再生へ向けて】
(千葉市)
 繁華街・歓楽街のマイナスからゼロの取組みに多くの頁が割かれているが、千葉市では、中心市街地の空洞化の方がむしろ問題になっている。防犯対策に対する要望は高いが、繁華街・歓楽街に特定しているわけではない。

(さいたま市)
 さいたま市では、繁華街に対する客引き行為が迷惑行為として長年苦情が多かったが、今年7月1日に客引きを禁止する条例をさいたま県が制定し、街が普通に歩きやすくなった。
 また、繁華街対策として、さいたま市では、ごみ拾いや違法駐輪自転車にビラを貼るなど環境浄化キャンペーンを実施したり、たばこポイ捨ての禁止条例を制定した。

(横浜市)
 横浜市では、250店舗の特殊店舗を一掃したが、取締りと同時に「まちづくり」を考えることが重要であり、それこそが自治体の役割だと考えている。

(京都市)
 最後のゼロからプラスということに関連して、京都市では、木屋町地区で商店会組織のなかった地域にも新たに作ってもらい、文化系のイベントを実施してもらっている。繁華街の「質」を地道に変えていくしかない、というのが現状だと考える。

(大阪市)
 マイナスからゼロ、ゼロからプラスの取組みも重要だが、ゼロを維持する努力も必要である。条例を策定し、迷惑行為が減っても、気を抜けば元に戻ってしまう懸念がある。ゼロを維持する努力を踏まえたうえで、ゼロからプラスの取組みがあるという書き方も必要だと考える。

     
(2)副市長会議 素案について
     これまで本プロジェクトで検討してきた「市民参加による安全・安心なまちづくり」、「繁華街・歓楽街の再生」を踏まえたうえで、必要とされる制度改革は検討中であることを明示し、11月6日に開催予定の副市長会議では、具体的な「改革の方向性」ではなく、「検討事項」として整理することを確認した。

  ○各市の主な意見
    (川崎市)
 「安全・安心に関する制度改革」についての、交通警察業務についての議論は、まだ十分に検討されていないと思う。記載自体に反対とうい訳ではないが、まだ十分に審議されていないので「この点を検討すべき」「研究すべき」という表現にしてはどうだろうか。例えば、信号機の集中制御や交通犯罪の捜査などは広域性があった方が効率的でるため道州制にも関連があるだろうし、指定都市への交通警察権限の委譲は役割分担も含めて検討した方が良い。

(京都市)
 京都市としては、交通警察については、必要な部分は移管して欲しいという考えを持っている。警察も、いずれ交通警察から撤退するような動きをしているのではないか。

(神戸市)
 この交通警察の部分は、地域防犯員制度も含めて、唐突な感じがする。プロジェクトにおいては、この点は十分には検討していないのではないか。特に地域防犯員については、関連の制度もある。新たな制度の創設は、地域に混乱を与えるのではないかという懸念がある。

(川崎市)
 ワーキング会議なので現場の実情をもとに話すべきと考える。方向性は、プロジェクト会議等での検討事項だと考えるが、この制度改革部分は、方向性がいつ頃、誰が決めたのかがよくわからない。十分審議されていないことについて提案されている印象がある。

(札幌市)
 「制度改革」はまだ検討が必要だと考える。現在の段階で、副市長会議などに具体的な部分までを示す書き方ではなくても良いと思う。まずは、アイデアを出している段階ではないか。

(北九州市)
 「市民参加による安全・安心なまちづくり」の部分は抽象的な記述であるのに対して、「繁華街・歓楽街の再生」は、具体的な記述になっている。後者の方が、直接的すぎる印象がある。これまでいろんな議論がされてきたので、それらを踏まえて少し幅を広げた記述が良いのでは。また、制度改革については、これまでのプロジェクト会議での「市民参加による安全・安心なまちづくり」や「繁華街・歓楽街の再生」について議論された内容をベ−スに議論すべきでは、別の話になっている。

(京都市)
 制度改革については、財政的といよりもむしろ権限的な裏づけが必要だと考える。防犯については市民の要望も高いが、権限がないとできないこともある。警察は検挙を行うが、防犯は自治体ということであれば、その権限を移譲すべきだと考える。
 また,「地域防犯員」制度は,防犯推進委員制度と行政区間のレベルでは重複しない整理ができても,地域の実際の活動レベルでは重複するので,いずれか一方の制度のみとしてほしい。

   
(了)